2020年5月30日土曜日

高専はありなのか。

よく工学部あるあるの一つとして
「高専上がりの編入性は凄い」というものがありますね。

自分も工学部で多くの元高専生と触れているので分かります。

そこで今回は、

「高専生ってどういう人?」
「そもそも高専ってどういう所?」

という疑問について
自分の知っている範囲で少し説明したいと思います。

高専とは?



高等専門学校が正式名称であり、5年制の高等教育機関です。

全国に57校あり、その中で国立は51校ですね。

公立は

  • 東京都立産業技術高等専門学校(東京)
  • 大阪府立大学工業高等専門学校(大阪)
  • 神戸市立工業高等専門学校(兵庫)

の3校のみで

私立は

  • サレジオ工業高等専門学校(東京)
  • 国際高等専門学校(石川)
  • 近畿大学工業高等専門学校(三重)

の3校です。


入試



入学するには、中卒相当の学業を修め、高専入試に合格する必要があります。

入試については、下の表を見ると分かりやすく

  共通 独自
 5科目
 国立(長野、沼津、呉など)、大阪府立
 都立産技高専
 4科目
 国立(和歌山工業、東京工業、都城など)、神戸市立
 
 3科目  サレジオ、近畿大学高専
 1科目 
 国際(英語のみ)



国立(長野、沼津、呉など)と公立の府立大学高専の場合は、
一般的な公立の普通科の高校と同じように問題は共通で国数英理社の5科目受験。

ただし、この共通問題は公立高校入試よりも理数の難易度が高めという傾向があります。

また、一部国立(和歌山工業、東京工業、都城など)と、
神戸市立高専も共通の問題ですが国数英理の4科目受験。

都立産技と私立はそれぞれ独自の問題で、科目数はそれぞれ違います

国立でも長岡工業高専のように国語の代わりに作文を課すところもありますので、
受けたい高専はHPで受験科目を確認しましょう。


学校生活



多くの高専では一般的な高校と同じように体育祭や文化祭を実施します。

授業については、
1年生のころから、大学の講義と同じように6割以上の成績が求められます

国語、社会系科目などの文系科目は普通科の高校と比べ
幅広い範囲は学習せず、単位習得も楽だそうです。

理系科目は高校で習う範囲を1年以上前倒しで習っているそうです。

自分が最初に出会った高専生は、
地元高専から学科トップの成績で編入学してきた人でしたが、

「高専の授業は浅く広く行っていて、今大学で教わっている内容も高専で既習済みだったが、大学の授業は深く習うので試験で全然点が取れない。」と言っていました。

また、「ひょっとしたら、0点かもと思った科目が良い成績だった。高専生に配慮しているのかもしれない。」とも語っていました。

真偽は不明ですが、そういうことも可能性としてはあるのかもしれませんね

部活動・同好会においても、ロボットコンテストやプログラムコンテストが有名ですね。

プログラムコンテストは個人的にはあまり馴染みのないものですが、
自由部門、課題部門、競技部門の3部門あるようです。

ちなみに去年度は東京高専が3部門で最優秀賞を受賞しているらしいです。

高専ロボコンは全国大会が毎年NHKで放送しています。
香川高専や、奈良高専が有名ですよね。
特に2013年の奈良高専の製作した「ジャンペン」はWikipediaにも個別ページが作られるほど有名です。


進路



卒業後は就職あるいは進学(2年制の専攻科あるいは大学の3年次編入)します。

ただし、卒業前でも
3年次を修了すると大学入試が可能になるため、
そこで大学に進学する人も少なからず存在するらしいです。

各高専の公表している進路情報を見ていくと
偏差値に比例して、進学率も高くなる傾向にあります。

就職先としては高専によって異なりますが、2018の日経新聞の記事では、
高専全体ではJR東海が一番多く、サントリー、花王と続くらしいです。

進学先は高専に行きたい中学生へによると、

"メリット・・・・国公立大の進学率については、偏差値60前後の普通高校に匹敵する。 
デメリット・・工学部以外への進学が困難。旧帝大への進学は極めて困難。"

と書いてあります。

この情報は少し古いがありますが、最近でも大枠正しいと思います。

しかし、最近では、東邦大や北里大などの私立大学の薬学部への編入は開かれています。
国公立大学薬学部でも日高新報で報じられているように、編入制度設置の動きが起こりつつあります。

また、富山高専の国際ビジネス学科のように文系の高専も存在し、
国立大学の文系学部の編入への道も開かれつつあるのです。

しかし、依然として高専では教育の専門性が高すぎるが故に
専門外の学部に一般入試で受かりにくいです。

この柔軟性の解消は難しそうですね。


自分の会った高専生



自分は数多くの高専生と会ってきましたが、
一番最初に出会った高専生は
情報系の学科の方で、前述したように勉強はそこそこでしたが、
プログラミングの実技的な側面はかなり優秀だと感じました。

またその人以外でも、G高専やN高専の人と触れ合いましたが、
性別関係なく技術で人を正確に評価しているという印象があります。

本当にものづくりが好きなんだなと感じました。

なので、進路がかなり狭くなってしまうのは事実だと思いますが、
実験や電子工作が好きで、大学での実技が待ちきれないという人は
高専に進学するのも一つの手段だと思います。

2020年5月25日月曜日

学部1年から研究室を体験できる!?名工大の変わったコース

今日は、名古屋工業大(名工大)の変わったコースである
工学部創造工学教育課程について紹介したいと思います。


名工大とは



名工大は、入試難易度でいうと中部・東海地方では名大工学部に次ぐ工学部ですかね。


河合塾の偏差値(2020/05/24時点)で言うと
 センター%   前期 後期
 79  工-情報工(60.0)
 78
 
 工-物理工(60.0)
 工-電気・機械工(60.0)
 77  工-社会-建築・デザイン(60.0)
 76  工-生命・応用化学(57.5)
 75 工-情報工(57.5)
 工-社会-環境都市(60.0)
 工-創造-材料・エネルギー(55.0)
 工-創造-情報・社会(55.0)
 74
 工-電気・機械工(57.5)
 工-社会-建築・デザイン(57.5)
 工-社会-環境都市(57.5)
 工-社会-経営システム(57.5)
 73
 工-社会-経営システム(57.5)
 工-創造-情報・社会(55.0)
 
 72
 工-物理工(57.5)
 工-創造-材料・エネルギー(55.0)
 
 71 工-生命・応用化学(55.0)  

となっていて、
同じくらいの難易度で言うと千葉大、農工大、都立大の工学部がありますね。
東海地方で言うと、同じ難易度では豊田工業大学などもあります。
こちらも良い大学だと個人的に思います。


研究



研究で言うと、
研究はやはり盛んですね。
今話題の全固体電池の研究室もあるようです。

就職



公式HPの就職情報ページに載っていますが
やはり、東海地方の大学だけあってトヨタ系列が多いですね。


創造工学教育課程とは


さて、大分前置きが長くなってしまいましたが本題に入ろうと思います。
創造工学教育課程はHP

"創造工学教育課程に入学した学生は専門を1つ選択して学びながら、幅広い工学の分野に触れ、工学の実践的能力を学部から大学院にかけてじっくり磨きます。"


と書いてあるように、学部修士一貫6年教育を行っています。

なので原則的に学部就職や、他大学院進学ができなさそうですね。

しかし、この大学は全体で7割以上が修士に進学していますし
他大学院に進学しても研究の引継ぎが出来ず、
実質的に研究できる期間が短くなってしまうということもあるので、

この課程は
好きな研究を学生中に出来るだけ行いたい
という人にはすごくおススメなのかなと思います。

就職についてはこの課程が平成28年度から始まったのでまだ就職情報が出てないです。


おススメポイント



この課程を進めるおススメポイントは他に3つありまして、


1年生から研究室を体験できる。



これは、タイトルでも述べましたが
なんと学部1年生から「学部ローテーション」といって、
2か月周期で研究室を入れ替わり体験することが出来ます。

具体的な体験談はこちらで紹介されていますね。

いや~工学部の自分としては1年生から授業の時間外でも
研究室で作業できるなんて羨ましいです。


メンター教員のフォローが手厚い。



1学年当たり2人につき1人のメンター教員がついて
科目選択の相談などが行えるらしいです。

実はこの制度自体は自分の学科にもあるのですが、

やはり進路や研究について、若いうちから相談できるのは大きいと思います。

1年の時から1対1で教授と話す機会なんて意外と無いんですよね~。


他の課程と比べて、入試難易度が易しい。



そもそも、入学できなければ意味がないですもんね(笑)

名工大は一般的な4年生の工学部は高度教育課程というのですが、
それに比べて創造工学教育課程は入りやすいです。

今年の各コースの合格最低点・平均点・最高点が載っていますが、
最低点ではほとんどの場合、創造工学教育課程が高度教育課程を下回っています。

しかし、注意するべきことは他の課程とは違い、
願書を出す際にエントリーカードも提出しなければならないということです。

これには、
志願理由や、入学したら学びたいこと、自己PRなど
それぞれのテーマを
書くのですが、これが大変に骨の折れるもので計1500字程度書きます。

実を言うと、自分は後期で創造工学教育過程に出願したのですが、
入試直前で勉強したいのに関わらず出願準備だけで2日かかりました。

結局前期のところに行ったので意味無かったですけど。

また、入試では小論文や集団面接も課せられます。

このような点で、受けるにあたって少し準備が必要だなと思いました。


最後に



前述したように、自分はこことは違う前期で受かった大学に行きましたが、
これは前期の方が家から通えたからという経済的な理由です。

なので、本当はここに行きたかったですね。

それくらい魅力あって、偏差値的にもコスパ高いところだと思うので、
目指す価値はあると思います。

ではでは。




2020年5月21日木曜日

ブログの設立目的

このブログは、主に学生に対して進路について有益な情報を発信出来ればよいと考えているよ!!

というのは、筆者は大学受験時に進路について調べすぎて受験勉強が身に付かなかったという

ほろ苦い過去があるからなのです。。。

結果、浪人して地方国立大学の理系に進んだわけですが

なので、このブログを通して、少しでも学生の進路に対する疑問を解決出来たら良いと思います。

個人的にサークル、実験などで忙しいですが、出来るだけ投稿していくようにしたいですね。

ノルマ的に週1回程度ですかね!!




千葉大学工学部の転コース制度についての体験談

転コースについて調べた際、WEB上で体験談などが無く、 入学時には転コースについての流れが分からなかったため ここに記そうと思います。 まず、筆者自身が千葉大学工学部のコース変更経験者です。 特定されてしまうので、変更前後のコースは伏せます。 というのは、転コース実際にするのは少...